シーズン途中のIGL交代は今週どこでも実らなかった — FURIA・PCIFIC・FNATIC・Fluxo W7Mの4チームが語る「誰が試合を組み立てるか」
VCT 2026 Stage 2のPlay-Ins期間に、3地域の選手が相次いで自チームのIGL体制について語った。FURIAは2026年に2度IGLを交代し、2度目は数週間で元に戻している。0勝15敗で終えたPCIFIC Esportsは「10日で作ったロスター」だったと振り返る。FNATICはIGL経験者をIGL以外の役割で迎えたうえでStage 2から姿を消した。共通しているのは、敗因として対戦相手ではなくIGL体制を挙げている点である。
FURIAは2026年に2度IGLを替え、2度目は数週間で戻した
FURIAのC0M(Corbin Lee)は、自身がIGLを務めるのをすでに止めたと明かした。Stage 2の途中でベンチに下がったeeiu(Daniel Vucenovic)に代わって一度はIGLを引き受けたが、短期間で元の体制に戻したという。FURIAにとってはこれが2026年に2度目のIGL変更となる。
「もうIGLではない。かなり早く元に戻した。8〜9か月一緒にやってきたチームに対して、自分が短期間で身につけられるものではないと感じた」— FURIA C0M
C0Mは代わりにミッドラウンドでの貢献に比重を移すとしている。2023年の世界王者であるイニシエーター選手が、加入先ではIGLではなくミッドラウンドのコール担当に回った形になる。FURIAは8月15日に2Game Esportsを2-1で下し、次はG2 Esportsと当たる。
PCIFICのQpertは「10日で作った」ロスターを敗因に挙げる
PCIFIC Esportsは2026年のVCTを0勝15敗で終え、8月14日にChallengers勢のJoblifeに1-2で敗れて姿を消した。Qpertは編成の速さそのものを問題視している。
「ロスター全体を10日で作った。コアも、互いの経験もない。性格やゲーム観、仕事の進め方を確認する時間がなかった」— PCIFIC Esports Qpert
cNedからwaddleへの入れ替えについても、連携を作れなかったと述べている。ゲーム観もテンポも合わず、細かい判断がずれ続けたという趣旨である。Qpertはアシスタントコーチの経験を持ち、来季は選手でもコーチでも同じ状況を繰り返さないことを目標に挙げた。
FNATICのCloudはIGLを降りる形での移籍だった
Cloud(Kirill Nehozhin)は2026年6月、GIANTXでIGLを務めていた立場からFNATICに3年契約で加入し、IGLではないサポート役に回った。FNATICは8月15日にJoblifeへ0-2で敗れ、2026年シーズンを終えている。加入から敗退までおよそ2か月である。
「うまくいかなかった」— FNATIC Cloud
Cloudは、準備とロスター変更を重ねても連携が固まらなかったと述べた。敗戦そのものについては相手の対応力と撃ち合いの差を挙げている。
Fluxo W7Mのmazinは敗因を心理面ではなく戦術面に置いた
初のVCT Americas出場となったFluxo W7Mは、8月15日にCloud9へ1-2で敗れた。IGL兼キャプテンのmazin(Matheus Araújo)は、緊張ではなく組み立ての問題だったとしている。
「心理的な要因が主因ではない。特に、こちらが1マップ目を取って入っているので。戦術面で少し落とした」— Fluxo W7M mazin
mazinは敗戦の責任をキャプテンとして引き受けたうえで、キャリアを振り返ってもっと早くチームを引っ張る役割を取りに行くべきだったとも述べている。同ロスターは2026年4月に組まれたばかりである。
4チームの共通点と、コールを分散させたENVYの違い
| チーム | 2026年のIGL体制の変化 | ロスターの継続期間 | Play-Insでの結果 |
|---|---|---|---|
| FURIA | IGLを2度交代し、2度目は短期間で元に戻した | 約8〜9か月 | 2Game Esportsに2-1で勝利 |
| PCIFIC Esports | 10日で編成し、シーズン中にcNed→waddle | 10日で編成 | 0勝15敗で敗退 |
| FNATIC | IGL経験者のCloudをIGL以外の役割で6月に獲得 | 6月に変更 | Joblifeに0-2で敗退 |
| Fluxo W7M | mazinがIGL兼キャプテンで固定 | 2026年4月結成 | Cloud9に1-2で敗退 |
| ENVY | IGL交代は報じられていない | 変更の報道なし | M80に2-0で勝利 |
今週の取材で唯一、体制を替えずに改善を語ったのがENVYのDemon1である。挙げたのはIGLの交代ではなく、コールの分散だった。
「コミュニケーションが大きく良くなった。自分が何をしているかを言う、そのラウンドで走らせたい考えを言う、能動的に動く」— ENVY Demon1
Demon1は準備の焦点も相手ではなく自チームに置いたと述べている。相手が何をしているかではなく自分たちの練習とミスの修正に集中した、という説明である。ENVYは15連勝中だったChallengers勢のM80を2-0で下した。
IGLの交代は短期間では効きにくい
4チームの証言に共通するのは、IGLを入れ替えても短い期間では連携が戻らないという点である。C0Mは8〜9か月分の蓄積に追いつけないと述べ、Qpertは10日では性格すら確認できないと述べた。Cloudは3年契約での加入から2か月で敗退した。いずれも個人の技量ではなく、共有された前提が足りないという説明になっている。これは編集部の読み方であり、4選手が互いの発言に言及したわけではない。
| 説明の型 | 発言者 | 挙げている不足 |
|---|---|---|
| 時間が足りない | FURIA C0M | 既存の8〜9か月分の共通理解 |
| 工程が足りない | PCIFIC Esports Qpert | 性格・ゲーム観・進め方のすり合わせ |
| 役割の移行が難しい | FNATIC Cloud | 準備と変更を重ねても固まらない連携 |
| 着手が遅い | Fluxo W7M mazin | IGLを引き受けてきた経験 |
2027年の制度変更が判断を難しくしている
Riot Gamesは2027年からVCTをトーナメント中心のモデルへ移行すると発表しており、詳細はChampions 2026(上海)の前に示される予定である。制度が確定しない状態でロスターとIGL体制を決める必要がある点は、複数の選手が触れている。Team Hereticsのbenjyfishyは、主力5人のうち4人が2026年で契約満了を迎える一方、フォーマット変更が不確定であることに言及した。今オフにIGLの移動が起きた場合、今回と同じ「間に合わない」問題が繰り返される可能性がある。
✍️ 本記事は VALOPEDIA編集部による独自記事です。
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